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女性建築家たちからの住まい発信ブログ            「住まいを語ろう!創ろう!楽しもう!」

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[住まいを語ろう!」のホームページアドレス変更のお知らせ

ご無沙汰しております。

2019年1月、ヤフーのホームページサービス終了に伴い、下記のアドレスに移行いたしました。

http://sumaitukurou.fem.jp/
# by sumaitukurou | 2019-01-08 12:58 | お知らせ

銭湯のタイル絵

◇ 京都市伏見区藤森にある銭湯、泉湯のタイル絵です。銭湯のタイル絵と言えば富士山を思い浮かべますが、ここの壁には山と湖、風車のある風景がモザイクタイルで一面に描かれています。

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水鳥をアップするとこうなっています。

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上の方には羽衣をまとった天女の絵。

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3代続いた泉湯も平成27年9月に廃業し、建物は解体されます。壁のタイル絵は剥がすことができませんが、この洗面所の袖壁は多治見市モザイクタイルミュ-ジアム(2016年6月開館予定)に移され保管されることになりました。




◇ 京都市左京区下鴨にあった相生湯に貼られていた美しいタイルです。この銭湯も廃業し、建物は解体されました。

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by 中井玲子
# by sumaitukurou | 2016-01-24 14:54 | 建築雑々

下関のまちなみ

先週、89歳の母を95歳の叔母に会わせようと、下関まで母と二人で二泊三日の旅に出ました。

母は脚が悪くなったため、もう遠出は無理だと言っていたのですが、お互いが元気なうちに姉妹で会いたいという気持ちもあり、決心してくれました。
鹿児島まで行く新幹線「さくら」号の車椅子席は、なんと個室で、しかも新大阪⇔新下関が二時間と少しです!寝台に乗って半日がかりで移動していた子供時代には考えられない早さです。

下関は母の故郷なのですが、中学校くらいまで夏休みの一ヶ月間私たちも一緒に帰省していたため
私にとっても第二の故郷のような場所です。

街並みは、坂が多く、狭い道が多く、そのため開発が都会ほど進まないのでのどかな街並みの風景が
今もそこここに残っています。

ずっと母と叔母につきっきりの旅でしたが、最後の日に少しだけ、街並み散策に出かけました。
市電の旧「東駅」近く、羽山町界隈です。
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旅行というと、観光地や遺跡を巡ったり、建築見学も盛り込んだりが常でしたが、叔母の家で従姉たちと
のんびり過ごした三日間、私にとってもリフレッシュでき、思い出深い旅となりました。

(広渡 早苗)
# by sumaitukurou | 2015-10-13 17:57

"京都を彩る建物や庭園"

京都市では2011年から、“京都を彩る建物や庭園”という制度を行っています。
市民が京都の財産として残したいと思う建物や庭園を推薦し、それらを審査して“京都を彩る建物や庭園”を「選定」します。選定されたものの中で特に価値が高いと認められたものについて「認定」されます。今のところ220件を選定、その内53件が認定されています。 (詳細は“京都を彩る建物や庭園”で検索すると見ることができます。)

私は京都市文化財マネ-ジャ-として認定に向けての調査に参加しています。
私が係った3件の建物をご紹介します。

松野醤油本店 (北区)
創業は文化2年(1805年)。今でも100年以上使い続けている木の樽で、昔ながらの製法で醤油を造っておられます。

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先斗町歌舞練場 (中京区) 
昭和2年(1927年)竣工。内部は戦時中に傷んだため戦後にかなり改修されており、建設当初の美しい装飾を見ることはできません。

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ミヨシ堂 (上京区)
千本今出川の交差点の北東角にある元時計店です。店舗部分は昭和4年(1929年)に建てられました。時計塔の時計は、今でも時を刻んでいます。

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by 中井玲子
# by sumaitukurou | 2015-08-15 01:15 | 建築雑々

原広司氏と梅田スカイビル

原広司氏の設計で梅田スカイビルができて22年になる今年、HIROSHI HARA:WALLPAPERS大阪展が5F特設会場で開催されました。
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展覧会は2013年10月から一年間で制作されたWALLPAPER=壁紙と写経したテキストの日本語の本と「空間概念と様相をめぐる〈写経〉の壁紙」という一冊の本によるプレゼンテーションです。
安価な包装紙とサインペンを使って古今東西のテキストを原則、原語で写経されたものに様々な場所で撮影された(特に夜明け・夕暮れ)空の様相を重ね合わせて《WALLPAPERS》をつくられています。原先生によると病を得て後の一年間だったとか。
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この展覧会に伴い連続講義が五回開かれました。
ギャラリートークから京大と神大での講義、スカイビルでの当時の工事関係者も参加した「梅田スカイビルはいかにして実現したか」追加講義の「都市と住居の未来/都市は住居は私たちをいかに祝福してくれるのか」まで毎週末原先生がお見えになりました。
その都度予定時間を大幅に超える白熱した授業で、とても面白く拝聴しました。ホメロスから谷川俊太郎、大江健三郎まで2500年以上にわたるテキストや長年の集落調査から代表的な4つも加えられています。
〈写経〉は結局は完全に理解することなどできないテキストに対する態度だと。謙虚に想像力をもって反芻すること。一年間のトレーニングの報告だとお書きになっておられます。講義の中でもサッカーのメッシを例に挙げトレーニングの大切さを語っておられます。鴨長明の「方丈記」は10回写経されたとか。繰り返し何度も、わからないから写経すると。原先生はご自身を建築家ではなく職人と考えているとも仰いました。画家のバルテュスも同じようなことを展覧会場の中で語っていました。写経の下にはお嬢様の原游さんによる「物語の中の動物たち」の絵が添えてあります。例えば、アリストテレスの「形而上学」にはモグラの絵を~「盲人と土竜(もぐら)とはどちらもその目を欠いている」の一文とともに~その絵がとても可愛く小さな子どもたちにも親しみやすさを覚えさせます。
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原先生のお書きになった展覧会ちらしの中に、建築を設計するうえで最も重要な概念は「様相」だと考えています。〈写経〉したテキストは、この捉えがたい「様相」を理解するうえで不可欠なものであり、私が28年間、大学と大学院で読み合わせしてきたテキストでもあります。いずれも私にとってたいへん重要な「聖典」といえるテキストです。(ただし時間的な制約、あるいは著作権上の問題から、本来なら参照すべき重要なテキストのほんの一部であることをお断りしておきます。)子供たちをはじめ、できるだけ多くの来場者が、〈写経〉のテキストとなった本を手にとり、さらに実際に〈写経〉をしてもらえれば、たいへん嬉しく思います。
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連続講義は無料か1000円程度の入場料で、学生さんには一冊ご著書のプレゼントがありました。講義の後にはサイン会があり、丁寧に応じられるお姿と気さくなお人柄に感激しました。竣工時にはその素晴らしさがよく解らなかったスカイビルですが、久し振りに屋上庭園に上がり開発の進む梅田北ヤードや淀川を眺めて他の何処にもない空間を楽しみました。
(佐野 江利子)
# by sumaitukurou | 2015-08-07 18:38 | 建築雑々