女性建築家10人からの住まい発信ブログ            「住まいを語ろう!創ろう!楽しもう!」

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東北への旅

昨年の9月、NPO法人古材文化の会の第17回全国集会が東北で開催されました。「東日本大震災で被災した気仙大工の建物を学ぶ事と復旧支援」というテーマで、17名が一泊二日の日程で岩手県陸前高田市と大船渡市、宮城県気仙沼市を訪ねました。講師を引き受けて下さった東北工業大学の高橋恒夫先生に案内をしていただき、地元の方にもお話を伺うことができました。「気仙大工」とは気仙地区(大船渡市・陸前高田市・住田町)を中心とした大工集団で、民家の建築はもちろん、寺院造営、建具造り、細工までもこなす高い技術を持っています。

1日目
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気仙沼市復興屋台村気仙沼横丁近く:地盤沈下で海水が溜まっています。

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住宅の基礎部分:コンクリ-トの基礎と金物を残してすべて流されていました。

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瓦礫の処理が進んでいます。奥は気仙中学校、右手の川は気仙川で東側に「高田の松原」があったところです。

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気仙中学校:垂れ幕に「さようなら我らの母校 思い出をありがとう」と書かれています。


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気仙町今泉集落:幕政期の気仙郡の中心地。草が生えているところには江戸時代の建物も多く残る町並みが続いていたそうです。県指定文化財で享和2年(1802)に建てられた大肝煎屋敷、吉田家も流されてしまいました。

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今泉集落内でかろうじて残ったコンクリ-ト造の住宅。

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宿泊した碁石温泉海楽荘:震災後いち早く営業を再開し、被災者やボランティアに温泉を無料開放しています。

2日目
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陸前高田市 華蔵寺本堂:天保12年(1841)気仙大工による造営。

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華蔵寺本堂の欄間。

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陸前高田市 普門寺三重塔:遠くから見ると屋根のバランスが悪いが・・・

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近づくと美しく見えるように建てられています。精巧な彫物や扇状の垂木など、気仙大工が技術を競ったそうです。

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2日目は参加者の半数がボランティアへ。今泉集落の大肝煎屋敷の吉田家は流されたけれども、将来再建することができるように部材の7~8割が拾い集められ保管されています。保管された木材を1本ずつ洗い、寸法を記録、この日は八戸の大学生も参加していました。

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保管されている木材の一部。

形として残されてきた歴史や文化は流されてしまいました。けれど記録され、継承されているものも少なくないといいます。気仙大工が造り上げた建物も数多く流されましたが、技術は受け継がれています。生活と集落の再建、そして受け継いできた文化をどう形にしていかれるのか、今後を見守っていきたいと思います。

3日目
解散後、私は遠野に足を延ばしました。
「遠野は歩かないと良さがわからないよ」というペンションのオーナ-の言葉に従い、自転車(電動)で走りました。少し離れている千葉家に車で連れて行って下さったおかげで、行きたいところを回ることができました。

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重要文化財に指定されている千葉家:主屋は天保年間に建てられ、大正期に現在の構えになったそうです。現在も住居として使用されています。

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民話で知られた「カッパ淵」

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稲穂が金色に輝いていました。

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民家は立派な建物が多いです。酪農が盛んな遠野も安全な飼料の確保に苦労されるなど、震災の影響を受けています。

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今も使われている水車小屋。

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デンデラ野:60歳以上の村人が自給自足の生活をしながら死を待ったと伝えられる場所。


一夜漬けで読んだ「遠野物語」
もう一度読み直そう!

by Nakai
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by sumaitukurou | 2013-04-03 01:52 | 環境や街並み