杉本雅子です。
前の投稿の中井さんの記事に続き、茅葺き民家のお話です。
神戸市と兵庫県建築士会との歴史的建築物のまちなみ保全・再生に関する協定に基づき、
市内の茅葺き民家の調査へ協力しています。
神戸市には、茅葺き民家が約900件あり、政令指定都市の中で一番多いのです。
その殆どが北区の田園風景の中に存在しています。
調査票と地図に基づき、1軒、1軒探して行きました。
残念ながら、この日、私が調査を担当した民家はすべて、萱の上に金属屋根を被せたものでした。
茅葺きのままだと、屋根が可燃物になってしまい、火災保険に入ることができません。
一般の民家として使用され続けていくためには、仕方ないかたちのようです。
それでも、田園風景の中に、この急こう配の屋根を見つけると、探していた友人を見つけたようで嬉しくなります。
途中、茂みの中に、萱葺きそのままの状態の建物を発見。
打ち捨てられた、荒れ果てた、農機具小屋でした。
その自然と同化しつつある佇まいは、まるで大きな生き物のようでした。
凄い迫力で、廃屋とはいえ、美しささえ感じます。
この建物を見に細い道に分け入り、車ごと田圃の畦道に突っ込み、立ち往生。
台風の次の日で、ぬかるんだ道を甘く見ていたようです。
JAFのお世話になって、やっと抜け出ししました。
車は先輩が運転するスカイライン。
都会仕様な人間や車や建物は、厳しい自然には、通用しませんね。
次回調査は、猛暑真っ盛りの8月ですが、頑張って行ってきたいと思います。